名塩八幡神社のとんど

名塩八幡神社では、成人の日または1月15日に近い休日に左義長(とんど)が
おこなわれますが、早朝の4時から神事が行われるので、前日のとんど立ての
様子を見に行ってきました。
(2012年は1月15日実施のため1月14日に見学)

名塩八幡神社は創設年は不明で文明年間(1469~1486)以前と推定されています。
現在確認できる一番古い年号は、石の鳥居の寛延4(1751)年の銘です。
また、明治12(1879)年に岩倉具視が石灯籠一対と提灯一対を奉納しており、
本殿前の石灯籠かと思われますが近づけなかったので銘は分かりませんでした。

岩倉具視

ところでこの神社は専任の神職が居らず、有馬稲荷神社の神職が兼任して神事を
執り行っているそうです。
代わりに普段の神社の管理をする役目として「宮守(みやもり)」と呼ばれる役目が
伝わっていて、現在では氏子の地域の7町(大西町・西之町・南之町・中之町・北之町・
山之町・東之町)の老人会が一年ずつ交代で担当しているそうです。
(名塩の他の2町、木之元は木ノ元八幡神社、東久保は大澤神社でそれぞれの
とんどを行っているそうです)

そのため各町ごとに異なるところもあるようですが、名塩八幡神社のとんど行事の概略を
『西宮市立郷土資料館ニュース第33号』の報告書を元に紹介します。

 

まずは一週間ほど前に神事を執り行い土地を清め、芯になる柱を立てます。
その後数日かけて竹や枯れ柴などで直径と高さが5~6mほどの円錐形に形をつくり、
仕上げに化粧用の篠竹を隙間なく並べその上から縄を巻きます。

   

その縄は下から順に七本・五本・三本・七・五・三・七・五・三と決められた数で9段に
なるよう等間隔で巻いていきます(下の写真に写っている部分は下から五・三・七の部分)。

注連縄

さらに5ヶ所の焚き口にはお正月に神社にかざられていた注連縄を取り付けるのですが、
これも宮守が作ったもので、伊勢海老の身をくりぬいたもののほかみかん・串柿・炭・
ダッケツ(芋のつるに似たもの)・ゴマメをつけるならわしです。

 

そしていよいよとんど当日を迎えるわけですが、神事は早朝4時から始まります。
まず神社の向かいの斜面にある教行寺(きょうぎょうじ)の太鼓楼から開始の合図が
打ち鳴らされます(下の写真の左上のお城のような二層の建物)。

そして神事で本殿前の灯籠からたいまつに火を取り、裃を着た5人の宮守が
たいまつを持ち、宮司を先頭に石の階段を下り拝殿下の広場へ向かい、
とんどの周りを2回まわり、3回目にそれぞれ焚き口から火をつけます。

その下りてくる階段が下の写真の右奥の階段ですが、けっこう急です。
早朝のまだ真っ暗な中、足元を照らす提灯持ちがいるとはいえ、裃を着たなら
ぞうりを履いてるだろうから大変そうですね。

    なじおはちまん 

燃えていくにしたがって、各家庭の正月飾りなども一緒に燃やしていきます。
昔は餅を持ってきて焼いて食べたりしたそうで、この餅を食べると風邪をひかず
健康になると言われていたそうです。
これだけの規模になると材料集めなども大変そうですが、これからもこの風習が
続いていってくれたらいいなと思いました。

 

<参考資料>
『西宮市立郷土資料館ニュース第33号』 平成21(2009)年3月31日発行
名塩八幡神社でいただいた神社概略
2012年1月14日の見学で撮影した写真

 

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