写真展『よみがえった平成の傀儡子』29日まで♪♪

えびす舞  よみがえった平成の傀儡子

写真家の藤井克己さんが、ここ5年間「人形芝居えびす座」の活動に密着して撮りためた写真60点の展示会が鳴尾図書館1Fで5月29日まで開催されている。

会期中の15日の午後には、会場入り口には立ち見の人ができるほどの観客に見守られながら、「鳴尾の浜に流れ着いたえびす様にとってここは故郷」と 言いながら「三番叟まわし」と「えびす舞」の上演が披露され拍手喝采をあびた。

よみがえった平成の傀儡子
よみがえった平成の傀儡子

 阪神淡路大震災で大きな被害を受けた西宮中央商店街の復興にと、2006年に「人形芝居えびす座」を立ち上げた地域情報誌とももの武地編集長が「えびすかき」再興を目指した活動を続けてきた。
その「人形芝居えびす座」も、今年は10周年の節目を迎えている。
毎月10日の西宮神社境内での上演も含めると年間50回は演じるという。
近年はフランスで行われる世界的な人形劇フェスティバルに参加したり、今年はカンボジアで現地の伝統芸能とのコラボなど活動の幅も大きく広がっている。

えびすかきとは・・・・・・
日本を代表する伝統芸能として2003年にユネスコの無形文化遺産として認められたものに文楽人形浄瑠璃があります。とくに淡路と徳島の人形浄瑠璃は伝統芸能としてよく知られています。この人形浄瑠璃の故郷といわれているのが西宮の傀儡師の「えびす廻し」あるいは「えびすかき」と呼ばれている人形廻しです。西宮を代表する芸能といえばこの人形操りがあげられます。<中略>
彼らは西宮神社の北の産所町に居住し、小さな人形の入った箱を首から提げて戎様のご神像を形どった人形を躍らせながら諸国を廻り、戎信仰を広げていったとされています。この西宮神社に所属した「傀儡師」の一団が操った人形操りを「えびす廻し」「えびすかき」と言っていました。そして人形操りをしたあとで神社のお札を配って歩きました。その姿は、例えば「摂津名所図会」の第7巻には人形操りが子ども達の前で生き生きと実演している様子が描かれています。浮世絵等には、傀儡師の三番叟の人形を廻している様子が描かれています。<以上 人形芝居えびす座のホームページより>

  えびす様と一体になったかのように舞う武地座長の熱演に大勢の観客が引き込まれ、「聞いてはいたけど見るのは初めて!!」という人も多かったようだが、改めて西宮の文化の深さを感じる時間となった。
伝統芸能ということで、市内にも数ある人形劇のグループとは一線を画しているようにも思われているが、傀儡子発祥の地だからこそ人形劇が根付く土壌があるのかもしれない。
これも一つの人形劇の形として、今後ますます人形劇が西宮の文化として根付いて欲しいと思いながら舞に見とれた。

えびす舞

西宮神社や地域研究者、全国に残されている資料などを集めて、消え失せた口上を再現したというえびす舞。
神と人間の媒体である人形を回して人々を勇気づけたという「えびすかき」が、今の西宮でも新しい形で福を招く「門付け」となって根付いて行けば、特徴ある楽しい街になるような気がしている。

投稿日時 : 2016-05-15 19:31:43

更新日時 : 2024-02-28 17:35:08

この記事の著者

編集部|J

『西宮流(にしのみやスタイル)』の立ち上げ時からのスタッフ。
日々、様々な記事を書きながら西宮のヒト・モノ・コトを繋ぎます。

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