ユニオン電機株式会社[優良事業所顕彰]

技術力・研究開発力の優れた西宮の企業を応援する優良事業所顕彰。受賞企業を西宮流が取材しました。

優れた技術力(製品)

精密抵抗スポット溶接機材等の製造販売

受賞内容

創業以来、小型精密スポット溶接機の将来性に着目し、技術面の研究開発に取り組んでいます。特に携帯電話やパソコン、ハイブリッド車用の各種二次電池とその部品の製造について、きわめて大きなニーズや、海外を含めたマーケットに期待を寄せています。同社が提供する小型精密スポット溶接機は、最先端を誇るレーザー溶接機より安価かつ比較的簡便に作業ができ、各所で重宝されています。また、自動車や建築物などの溶接機に比して業者数は少なく、技術面で参考書が皆無である中、同社の技術は、広くお客様に受け入れられてきました。

商いをする先の移動と共に大連に進出して・・・

取材の場には、木下一郎社長と共に木下雄一郎会長の姿もあった。

「溶接…と言うと、あの火花の散る溶接しか思い浮かばなくて~」と失礼なお話から切り出した記者に「それは無理はないのです。業界も派手な溶接の方をアピールしているのですから。」と木下社長から丁寧に説明をいただいた。

抵抗スポット溶接機
抵抗スポット溶接機

「溶接は大きく2種類に分けられます。
アーク溶接と抵抗溶接です。
抵抗溶接のことをスポット溶接と言っています。
アーク溶接というのが橋梁や船などで見られる、派手に火花を散らして物を溶かしてくっつける溶接ですね。」

ユニオン電機が扱うのは抵抗(スポット)溶接機。それも、小さな製品作りに必要な小型で精密な溶接機。
「抵抗に電流を流すと発熱します。それで金属を溶かして溶接するんです。」

家電系大手企業との取引がきっかけで2002年には中国の大連に工場を建てた。「中国ではずっと赤字でどうなることかと思いましたが、やっと黒字に転換してきました。ホッとしているところです。」
言葉も風習も違う所で、技術的な土壌の無かった所に新しい技術を植え付けるというのは一朝一夕ではなかっただろう。
「海外に出ていると、日本の空洞化を心配します。あちらは本当に元気ですよ。行くたびに大きくなっているのが実感できるんですから。」日本の行く先を案じている木下社長は続ける。「でも私たちは、自分たちのできることを一生懸命するだけです。機械はまね出来ても、工夫するノウハウは私たちの物ですから。」

モーターと電池はなくなりませんから・・・

ユニオン電機が手がけている「精密抵抗スポット溶接機材」は各種二次電池(充電電池)の製造過程では無くてはならないもの。これまでパソコンから、携帯電話へ。そしてこれからはハイブリッド車や電気自動車での需要が増えるだろうと予測している。

エアー駆動式ユニペットウエルダー
エアー駆動式ユニペットウエルダー

「私は昔から、モーターと電池は絶対に無くならないから…と言って来ました。」と会長。「うちのような小さな会社は大企業がやらない隙間で生きています。」と社長が続ける。

しかし、その隙間を埋めてくれる会社があるからまた新しい製品が世に生まれて行く。

金属の溶接と言ってもカシメ、ハンダ、アーク、抵抗溶接といろいろあるが、パソコンのバックアップ電池などはスポット溶接が経済的だという。「私たちは運がよかったんです。運良く電池の溶接に携わってきました。気がつけば二次電池の方に向いていました。」
これまで多くのメーカーからの宿題に真剣に向き合ったことで信頼と技術力を身につけて来たことが、今の流れに繋がって来たのだろうと思いながらお話をお聞きした。

交流式精密抵抗溶接電源
交流式精密抵抗溶接電源

お二人の口からは何度も「宿題を一杯いただいてありがたいことです!!」という言葉が出て来る。

「もらった宿題に対して、絶対に出来ない事はない…。なんとかやってみよう!!」その姿勢を持ち続けたことが、次の新しい技術を作り出す原動力だったのだろう。

「これからも、小回りのきく動きで、お客様のニーズを徹底的に引き出し、その要求を叶えて行きたい。」という社長の言葉に、今回の受賞に至った歴史を感じた。物づくり…といっても消費者の目に、直接触れる物を作っている訳ではない。けれども家電製品が出来る過程では、スポット溶接の技術が活用されている。

木下一郎社長と木下雄一郎会長
木下一郎社長と木下雄一郎会長

「私たちにお話が来る時には、それが何のための物か分からないことが多いのですが、製品が世に出た時『あ!あれがそうだったんだ?』って思いますよ(笑)」まさに縁の下の力持ち。

これからの政府や大企業の動向を気にしながらも「やれるだけの努力はする!後悔しないだけのことをする!自分たちに出来ることはそれだけですから…。」と言いながら、常に新しい技術や製品の情報にもアンテナを張っている木下社長。

「人間の能力なんてたかがしれていると思うんです。」それぞれの能力を集めていかなければいけないと柔和に話す会長は、実は大連生まれ。大連に工場を建てることになった時は不思議な縁を感じたという。

「文法も発音も変わりましたから~」と言いながらも中国語の分かる会長は、日本のことは社長に任せて多くの時間を大連で過ごす。「やっぱり物作りが好きですね。」

ユニオン電機 株式会社 代表取締役社長 木下一郎
ユニオン電機 株式会社 代表取締役社長 木下一郎

 木下社長にお聞きしました

 一方、甲子園町で生まれ育った木下社長は、今、甲子園球場からの歓声が聞こえて来そうな程の場所にある会社で仕事をしている。
「私は遊ぶのが大好きですよ(笑)でも、最近『趣味は所詮趣味!!』って言う気がしてきました。
今は生活全部が同じレベルかな??仕事も、趣味も、そして家庭人としても…」一番興味のあるものが仕事になって来たという。

ユニオン電機 株式会社
ユニオン電機 株式会社
  • 住所:兵庫県西宮市甲子園町9番21号
  • 電話:0798-81-2811
  • 代表取締役社長 : 木下一郎
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