株式会社 安田精機製作所[優良事業所顕彰]

技術力・研究開発力の優れた西宮の企業を応援する優良事業所顕彰。受賞企業を西宮流が取材しました。

優れた技術力(製品)

溶融状態にある樹脂の流動性を測定する自動化装置の開発

受賞内容

試験機を使うユーザーの立場に立った試験機の製作に注力しています。従来自動が困難であるとされていたパウダー、シート、フィルム状の形状の異なった試料装入について、完全に一貫した自動測定が可能となり、熱可塑性樹脂、合成ゴム等の高分子物質全般にわたって、精度の良い安定したメルトフローレートの完全自動化測定を可能としました。国内外で大手化学メーカーを中心に、多くのユーザーに支持されています。

株式会社 安田精機製作所

山口町にある中国自動車道の西宮北インターのすぐ横にある安田精機製作所で、取締役の安田陽太さんにお話を伺った。

1955年に、理化学機器の販売の会社として、陽太さんのおじい様が大阪で起こされたのが始まり。

「販売をしているうちに、だんだんメーカー的に方向転換してきました。父が工学部出身で、技術面の強化を行い、現在に至る道を作ってくれました。」と安田陽太さん。

現在の安田精機製作所は、大きく分けて「測定・分析の分野」と「試験機器の分野」があるが、今では日本でも屈指の「試験機器の総合メーカー」となっている。

「工業製品というのは、JISとかISO,アメリカのASTMなどの、いわゆる工業規格に準拠した製品の製造が求められます。

そういう規格を測るには、まず、その素材の条件を統一しないと比較できません。
だから、弊社が得意分野として行っている、素材の段階での条件を統一するための試験機器が非常に重要になって来るんです。」

「例えば、プラスチックの射出成型(型に流し込んで物を作る)にしても、同じ原料でないと判断できません。その溶融状態にあるプラスティックの流動性(粘度)を自動で測れるようにしたのが、今回の受賞装置なんです。」

今回の受賞理由を読んでも、ちんぷんかんぷんだった私の頭の中をとても分かりやすく整理していただけた気がした。

株式会社 安田精機製作所

ペレットになった原料を試験機に装着すると、後は全て自動。
それを溶かし、射出してテスト用サンプルを抽出すると、そのサンプルのデータも自動的に隣のパソコン上に表示されていく。

射出のために使った押し棒を、これまでなら人間がはずして洗浄していたが、そこを機械が担ってくれている。

機械に装着されていたガーゼのロール(包帯のようなもの)が、洗浄した後その棒の汚れをふき取っていくのだが、まるで、人間がするような動きをしていく機械を見て感心してしまった。

「なぜ、ガーゼの所で、右・左・真ん中・・・という動きをするんですか??」
と思わず聞いたら、「どちらかの端から順にすると、ガーゼがどうしてもどちらかに偏ってしまうんですよ。
あのように、右・左・真ん中と動かしてあげることで、拭き取りのために装着したガーゼがずれないんです。」

株式会社 安田精機製作所

安くできる海外の製品と競争していくためには、日本人特有の細やかさ・かゆい所に手が届く感覚を試験機に表現していくことが重要だとおっしゃった安田さんの言葉が、この機械を見て納得できた。

素材の試験と同時に、出来上がった物の試験もする。
「例えば、車のドアノブの疲労実験などがあります。冬夏などの温度条件下での何万回という開閉実験なんかもするんですよ。」

取材の後で、工場内を見せていただいた時、ちょうど革の疲労実験がされていた。
規格の角度で装着された小さな革片が小さく揺れていた。
これは、同じ場所をどれぐらい折りたたむことで、どれほどの変化があるかを測る試験だった。
この機械は、一日24時間、数日間ずっと動いているらしい。

「素材の試験の総合メーカーです。」とおっしゃるように、プラスチックがあったり、金属、紙、革…と守備範囲が広い会社。
「勿論、それぞれの特性を知らないといけないということもありますが、基本的には、摩耗・屈曲・ひっぱり・・・などと、そう違ったことではないんですよ。」

「現在、300種類ぐらいの試験機がありますが、これからもどんどん改良し、増やしたいですね。機械がやってくれる時間ができれば、人間はその間違う作業ができますから・・・。」

試験機はデータが重視される。そこでは、これまで試験機一筋でやって来た実績がものをいう。海外へ進出する日本企業も増えることで、当然海外へも目を向けている。現在は、大手化学メーカーが取引先。日本のそうそうたるメーカー名が並んでいる。

「この不景気は、新規開発に取り掛かれる絶好のチャンスなんです!!景気が良くって忙しいと、納品するものに追われるでしょ??」若い取締役の力強い言葉が、頼もしかった。

取締役の安田陽太さん
取締役の安田陽太さん

条件をできるだけ一定にするためにも試験機械が必要なんだと、安田さん。
条件が一定化されることで、いい製品が出来上がっていく。
「例えば、軽くて強い素材が提供されたら飛行機や車の燃費が良くなる。ということは、エコなんですよね。」
様々な工業製品の原材料の所で重要な役割を担っている安田精機製作所。
わが街の頼もしい会社のこれからが楽しみ!!

株式会社安田精機製作所 社屋
株式会社安田精機製作所
  • 住所:兵庫県西宮市山口町下山口121-1 
  • 電話:078‐907‐1511
  • 代表取締役: 安田 淑子
  • ホームページ:https://yasuda-seiki.co.jp/
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